Lesson1で講師としての心構えをつければ、いよいよ講師デビューとなります。講義の成功条件は、9割が「下準備」で決まります。十分すぎる下準備をすることで、本番でいかに落ち着いて講義ができるかも決まってきます。今回のLessonで下準備のポイントをしっかりおさえて本番に望みましょう。
下準備5つのポイント
- 講義のテーマを具体的に絞り込む
- 参加者がどういった人なのかを把握する
- 講義会場の部屋と設備の確認をする
- シンプルで分かりやすい講義資料の作成
- 当日、サポートしてくれる友人やスタッフがいるかを確認する

1, 講義のテーマを具体的に絞り込む
たとえば、「料理について講義します」と言われても、それが日本食の調理方法なのか、イタリアンの調理方法なのか、または調理方法以外のことかもしれません。このように範囲が広すぎることで参加者は内容が把握できず期待値が下がったり、講義に参加をしないという行動にもつながります。ですから、あなたがもっとも伝えたい具体的かつ専門性のあるテーマに絞り込むことが大切です。
2, 参加者がどういった人なのかを把握する
あなたの講義に参加する人の年齢層やどのような背景で受講するのかなどを知っておくことは、とても重要です。可能であれば、講義する分野における相手の知識レベルも確認したいところです。あなたの専門性を信頼して参加している方でも、相手の知識レベルより講義内容のレベルが高過ぎると、理解できずに疲れてしまいます。逆に、予備知識レベルが想像以上に高い方がいた場合、講義内容レベルが低いと感じ退屈させてしまいます。結果、講師も生徒も時間の無駄遣いといった結果になりかねません。
3, 講義会場の部屋と設備の確認をする
自宅サロンや教室を除いて、講義会場を手配する場合、設備内容について確認することを怠らないようにしましょう。仮に、あなたが講義でホワイトボードを使う予定だったとして、実際に当日会場に行ったらホワイトボードがないとなったらとても困りますよね。他にも、次の設備を事前に確認しておくことで講義をスムーズに進められることと思います。
- 部屋の大きさ
- 机の配置
- 教卓の有無
- パワーポイントを使用する場合のプロジェクターの有無
- ホワイトボードのサイズ
- ボードマーカーは何色用意されているか
- ホワイトボードにマグネットはくっつくのか
4,シンプルで分かりやすい講義資料の作成
講義資料の作成は、まずは話す順序は気にせず、話したい内容をとにかく短い言葉で、箇条書きでドンドン書き出していきます。そして、書き出した内容を必要か不必要か区別し、必要なものをリスト化し、同時に話す順序を決定します。骨組みができた後は、順序ごとに話す内容の肉付けをしていきます。次に、いったん完成した資料を、本番を意識しながら声に出して読み上げます。このとき、話していて違和感を感じる場合があります。原因は、書き言葉と話し言葉の違いです。違和感のあるものは都度、話し言葉に修正します。この作業を繰り返し、聞き手が理解しやすい講義資料を作りましょう。
5,当日、サポートしてくれる友人やスタッフがいるかを確認する
人は緊張状態に陥ると、時間感覚が狂います。緊張が原因で、準備してきた講義内容をすべて伝えることができず、講義終了という事例もあります。又、質問に対して長々と回答してしまい大幅に時間が過ぎてしまうこともあります。慣れないうちは、時間管理をしてくれる友人やスタッフなどの協力者がいるのが望ましいです。協力者がいない場合は、自らストップウォッチでタイマーをセットし、講義の資料一部ずつにカラーペンなどで、「時間の確認」などの文言を記すことで時間を管理できます。
以上5つの下準備をしっかりすることで、落ち着いて本番を迎えることができる一歩となります。
Lesson2-1 まとめ
- テーマの範囲が広すぎることで参加者は内容が把握できず講義への参加意識が生まれない恐れがある
- 講義内容は、伝えたいことを具体的かつ専門性のあるテーマに絞ること
- 講義参加者の参加理由や年齢、知識レベルの格差を事前に知ることで、講師も生徒も価値ある講義になる。
- 講義をスムーズに進行させるため、講義会場の部屋や設備の確認を怠らない
- 完成した講義資料は声に出して読み、違和感を感じたら話し言葉に修正し、聞き手が理解しやすい講義資料にする
- 講義当日、サポートをしてくれる友人やスタッフの有無を確認