Lesson2-5 休憩時間

休憩の取り方

素晴らしい講義でも、長時間続くと講師、生徒共に疲れが出て、集中力に影響が出ます。休憩は、体を休める意味だけでなく、生徒が講義内容について確認や質問をする時間として必要な時間になります。通常、2時間以上の場合、1時間に1回、約10分間の休憩をとりますが、講義のペースや生徒の顔色を伺うなどして、休憩の入れ方を工夫してください。

講義における休憩の取り方というのは、後の講義の成功がかかっているといっても過言ではありません。では、どのような休憩の過ごし方がよいのでしょうか。

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休憩時間の過ごし方5つのポイント

  1. 休憩後の講義の板書きをする
  2. 休憩後の講義の確認をする
  3. 講義中に発見した改善点や良い点をメモする
  4. 確認、質問を受けられる状態でいる
  5. 生徒から本音を引き出す

 1,休憩後の講義の板書きをする

休憩前の講義の時間が押してしまった場合などは、休憩後に板書する予定のものをあらかじめ休憩中に書いておくことで、時間短縮になります。生徒が席を立ってから戻ってくるまでは、少なくとも2分程度の時間がありますので、その間に板書きしましょう。すると、生徒は戻ってくるなりノートに書き写します。板書きの際、注意したいことが、「板書する予定のものを全て書かないこと」です。生徒によって、その後の講義内容が全て分かると安心して寝てしまうことがあります。

 2,休憩後の講義の確認をする

たとえば、講義内容で生徒から、「簡単過ぎます。難しいです。」等の言葉をもらった場合は、内容を調整する必要が出てきます。また、事前準備の段階で、テーマごとの時間配分は決めていたのに、時間が押してしまった場合も同様に、時間内にしっかり納められるよう内容の調整をする必要があります。短時間で大きく変更をかけるのは難しいですが、微調整をかける時間はあります。ですから、講義内容や時間配分の確認を怠らず、より質の高い講義の実現を目指しましょう。

3,講義中に発見した改善点や良い点をメモする

たとえば、自分ではわかりやすいと自信を持って説明していたことに対して生徒が首をかしげたのを見て、言葉を変えて説明したら、納得したように大きく頷いた。なんてことはよくあります。このように言葉を変えて説明をすることで生徒の理解度が上がるなど、発見した良い点や、「ここはポイントだからもっと時間を使って説明すればよかった」という改善点などは、忘れないよう必ずメモを取り、次回に生かしましょう。

4,確認、質問を受けられる状態でいる

前述したように休憩時間は、休憩前までの講義内容について、確認や質問をしたりする時間として必要です。ですから、講師は席を外すにしてもトイレ休憩だけにするなど、生徒のための時間を確保してください。このとき、生徒のなかには休憩時間ということもあり、気を使って質問をしてこないケースもありますので、生徒が質問しやすいよう一言、「数分しかありませんが、これまでの講義内容で、質問などある方は、遠慮せず聞きにきてくださいね」と伝えてあげると親切です。

5,生徒から本音を引き出す

講義中には聞けなかった疑問点や言いづらいことなど、本音を少しでも多く引き出すためには、前列に座る生徒に聞くのが良いです。基本的に、前列に座る生徒というのは前向きな姿勢で講義を受けており、質問への回答率が高く、正当な評価をいただけます。「喋るペースは早くないですか?ここまでの内容で疑問点はございませんか?」と聞けば、何かしらの回答を得られると思います。質の高い講義にするために、悪い意見も、良い意見も、講師にとってはいずれも貴重な意見です。ですから、一つでも多くの改善点などを持ち帰るために、積極的に質問したいものです。

短時間で全てを完ぺきに行うことは難しいかもしれませんが、休憩時は、この5つのポイントを実践して、より質の高い講義が実現できるように努力を尽くしましょう。

Lesson 2-5 まとめ

  • 休憩は、体を休める意味だけでなく、生徒が講義内容について確認や質問をする時間として必要な時間である。
  • 休憩後に板書する予定のものをあらかじめ書いておくことで、時間短縮になり、効率よく講義が進められる。
  • 休憩後の講義内容や時間配分の確認を怠らず、常に質の高い講義を目指す。
  • 講義中に発見した改善点や良かった点は、次回に生かせるようにメモに残す。 
  • 休憩中は、生徒からの確認や質問を受けられる状態でいることと、質問しやすい 環境を作ることが大切。
  • 前列に座る生徒から講義に対する本音を引き出し改善ポイントを持ち帰る。