Lesson3-2 話の抑揚

講師デビューをしてから注意を受けるポイントで多いのが、人前で話をするときの「抑揚」です。台本を丸暗記したかのような言葉が平坦な説明では、内容が頭に入りづらくなります。

では、具体的にどのようにすれば、抑揚のついた話ができるのでしょうか。

話に抑揚をつける5つの方法

3つの声のトーンを修得する

普段の自分の声の大きさを基準として、普段から大きい声の人はワンランク・ツーランク小さい声で、また、普段から小さい声の人は、ワンランク・ツーランク大きい声で意識的に話せるように練習しましょう。人前で実際に話をすると、思っている以上に聞き手には伝わらないことがあります、ですから、「ちょっとやりすぎかな」と思うぐらいに声に強弱をつけて練習することが大切です。

簡単な内容はスピードを上げて説明する

講義内容をしっかり理解してもらうために「丁寧にゆっくりと話す」ことは大切です。しかし、すべての内容を丁寧にゆっくり話してしまうと、平坦でリズムが悪くなるだけでなく、伝えられる情報量が限られてしまうので、「簡単な内容」や「資料の文章」はスピードを上げてリズムをつくるようにすることが大切です。簡単な内容はスピードが早くても理解できます、文章の場合、後から自分で補充できるので、スピードを上げても問題はありません。

話のポイントは繰り返し説明する

講義内容でどうしても伝えたいこと、理解してもらいたいことは、ワンランク・ツーランク大きな声で説明し、さらに2~3度繰り返し説明すること大切です。このとき、いきなり内容から入るのではなく、「いいですか、みなさん!集中して聞いてくださいね、ここが重要なポイントですよ!」と前置きをしてから説明に入ります。すると、生徒がメモをとるようになります、メモをとるスピードにあわせて話しを進めれば、必然的にリズムもできるのです。

間を意図的に作る

特に長時間にわたる講義は、話し手より、聞き手の方が疲れます。そこで、大切なのが定期的に、一息つくための『間』を取り入れることです。そのあとの講義のテーマが大きく変わる場合などは、10~15秒程度とるよう心がけましょう。さらに、「どう思いますか?」と問いかけて、『間』を与える事で、意図的に考える時間と整理する時間を演出することができます。

言葉の音と表情を意識する

何気なく使われている言葉でも、喜怒哀楽を表す音や表情を持っています。たとえば、「とっても大きなももが、ドンブラコ、ドンブラコと流れてきました」の一文からは、「とっても」や「ドンブラコ」などが、言い方に工夫ができますね。このように、言葉それぞれが持つ音や表情を意識しながら文章を読むだけでも、一本調子を防ぐことができ、聞き手は話に身が入りやすくなります。

Lesson3-2 まとめ

  • 普段から小さい声の人は、ワンランク・ツーランク大きい声で意識的に話せるように練習する。
  • 講義のリズムが単調にならないように、「簡単な内容」や「資料の文章」はスピードを上げてリズムをつくる。
  • 講義内容でどうしても伝えたいことは、2~3度繰り返し説明する。
  • 生徒に考える時間と整理する時間を与えるため、定期的に、一息つくための『間』を取り入れる。
  • 言葉それぞれが持つ音や表情を意識しながら文章を読むと、一本調子を防ぐことができ、聞き手は話に身が入りやすくなる。