Lesson3-4 説得力のある話し方

相手の感情に上手く働きかける事ができる講師の言葉には、「なぜか行動したくなる」「納得させられる」そんな力があります。それが、説得力であり、講師になると生徒を説得しなければならない場面もあるため、ぜひ身につけておきたいですね。では、何を行えば説得力のある話し方ができるのでしょうか。

数字を使って説明する

まず、可能な限り出所を明記して数字を使って説明することを意識しましょう。たとえば、あなたが会社の上司に対して、「女性の雇用」について考えてもらうため、以下のような説明をするとします。

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二つの例を比較して見ていきましょう。

「近年、日本における男性の雇用者数が 減少している一方、女性の雇用者数は増加傾向にあります。産業別では教育・医療の分野で増えており、育児や介護などのニーズに対応した女性の就業が果たす役割がさらに高まると予想されます。中でも、非正規の雇用割合が多く、仕事と家事・子育ての両立を後押しする動きが高くなっています。ぜひ一度こうした『女性の雇用』について考えてみませんか。」

「2002年〜2010年の日本における男性の雇用者数は、総務省による『労働力調査』では、41万人減少しているのに対し、女性の雇用者数は 1 万人増と上昇傾向にあります。産業別では教育・医療の分野で増えており、育児や介護などのニーズに対応した女性の就業が果たす役割がさらに高まると予想されます。中でも、非正規の雇用割合が多く、仕事と家事・子育ての両立を後押しする動きが高くなっています。ぜひ一度こうした『女性の雇用』について考えてみませんか。」

いかがでしょうか、後者においては、情報の出所の明記により社会的な動きがあることと、根拠のある数字を使って主題の事実を伝えているので、上司を説得できる可能性も高くなります。

しかし、上司によっては後者のような説明でも納得できない場合もあります。たとえば、「女性の雇用実績がほとんどない」「子育てと両立は難しいのでは」といった反論があるかもしれません。では、こうしたケースはどのように対応すべきか考えていきましょう。

反論を想定する

まずは、先ほどの説明を上司の立場で見たときに、どのような反論が挙げられるかを想定します。前述した、「女性は」「子育てと両立は難しいのでは」が反論の中身であれば、その反論の中身をつぶしながら説明する事で、共感を生むことができます。たとえば、

「(前述の説明の続き)とはいっても、当社では過去に女性を雇用した事がなく、女性社員の教育体制への懸念や、仕事と子育てを両立する上で、問題視されがちな勤怠不良などの不安から、取り組みづらいというのが現状でしょうか。しかし、女性の戦力化に向けて、まずはパートタイム雇用やインターンシップなど、何か一つでも取り組める事はないでしょうか。」

このように説明すると、上司の方は、あなたも同じ感覚を持った上で話をしてくれているのだと認識し、説明した内容に対して取り組む可能性が高くなります。数字を使う説明に加えて、反論される内容を想定した説明ができれば、より説得力のある話し方ができるでしょう。

Lesson3-4 まとめ

  • 情報の出所を可能な限り明記して数字を使って説明すると説得力が増す。
  • ある事柄について説明するとき、どのような反論が挙げられるかを想定し、反論の中身をつぶしながら説明する事で、共感を生むことができる。