Lesson4-1 場を引き締める

適度な笑いは、生徒の集中力を上げる効果があるため、講師は講義中に面白い雑談を挟む事があります。ですが、笑いも度が過ぎるとかえって集中力が切れてしまったり、場が緩んでしまう恐れがあります。一度緩んでしまった雰囲気は、何かきっかけがないと戻りづらいものです。

行動を促す

緩んだ雰囲気を引き締め、再度講義に集中させるためのきっかけづくりに有効なのが、文房具やテキストなどの物を使って行動させることです。たとえば、

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「はい、それではテキストAの××について説明していきます。ポイントは線を引いていきます。何色でも構いません。1種類マーカーの用意をしてください。用意はできましたか。それでは、○○ページを開いてください。」

このように指示をすることで、わずか10 秒程で緩んでしまった場が引き締まり、再び生徒の意識を講義に向かせることができます。

このとき大切なのが、的確に指示を出して行動させることです。また、マーカーの使用というのは、「重要なポイントを学習する」意識が働きます。すると生徒は、聞き逃すまいと、必然的に行動せざるを得ない状況になり、自然に勉強する姿勢へと導くことができます。

沈黙を作る

緩んだ雰囲気というのは、ざわついている雰囲気と似ています。このざわついている雰囲気を変えるには、焦りを促し、意図的に沈黙を作ることが大切です。具体的な方法として、時間制限付きの課題を与えることが場を引き締めるのに効果的です。

たとえば、講義の場面においては以下のように問いかけをしてみます。

「はい、それでは今から、××について勉強したポイントを復習していきます。今から2分間、テキストは見ずに、箇条書きでポイントを書き出してください。いいですか、始め!」

これだけでも場を引き締めるのには十分ですが、さらに、「書き出した内容を数名に発表してもらいます」と続けて伝えると緊張感が生まれてより集中力が高まります。

Lesson4-1 まとめ

  • 文房具やテキストなど、物を使って行動させることは、緩んだ雰囲気を引き締めたり、講義に集中するためのきっかけ作りに有効である。
  • 時間制限付きの課題を与え、焦りを促し、意図的に沈黙を作ることは、場を引き締めるのに効果的。