参加意識を高める
生徒の参加意識を高め、講義に集中してもらうためには、どのような工夫を行えば良いのでしょうか。講義への参加意識というのは、そのときの状況によって左右します。たとえば、有料参加か否かといったところです。無料の場合は、参加意識が低く、ただ漠然と受けている方もいます。しかし、そのような参加意識の低い方でも、講師のちょっとした工夫で一気に参加意識が高くなる生徒もいます。

感謝を伝える
あなたも過去に、感謝やお褒めの言葉をいただいて、「もっと頑張ろう」と思ったことがあると思います。たとえば、講義における場面で以下のように説明するとします
「本日は、講義へのご参加、誠にありがとうございます。××について勉強がしたいという、一つの共通点があったこと、そして、様々な条件が相重なったことで、本日皆さんにお会いできたのだと思います。まずはこのご縁に感謝致します。」
というように、講義の初めに参加していただいたことや、出会いの縁に感謝の言葉を述べることで、講義に対する生徒の気持ちを前向きなものにします。
目的の共有
感謝の気持ちを伝えた次は、生徒同士の「目的の共有」の時間を作りましょう。講義に参加する生徒は、皆さん同じ思いをもってきているはずです。自分と同じ考えや、共通の思いを持っている人に出会うというのは、嬉しいものです。たとえば、
「今日、この講義に参加したきっかけとなる出来事を隣の方とお話してください」
というように、参加者同士で講義に参加した目的を共有する時間を与えることで、改めて目的が明確になり、さらに、相手からの良い刺激をもらうことで、講義への集中力が高まります。
講師から生徒に伝えるべき3つのメッセージ
やはり、生徒の参加意識を高める一番の要素として、講師の言葉があります。以下3つは講義前に必ず伝えておきたいものです。
- 同じ目標に向かっていることを共有する
- 得られるメリットを明確にする
- 講義終了後のゴールを伝える
・同じ目標に向かっていることを共有する
前述の生徒同士の「目的の共有」により、同じ目標に向かう仲間という意識が生まれています。講師が伝えるべきメッセージの最初は、生徒全員が同じ目標に向かって進んでいくことを再認識させることです。これにより、生徒は改めて気が引き締まり、真剣に受講する姿勢になります。
・得られるメリットを明確にする
通常、生徒は、自分にメリットがない限り興味を示しません。ですが、既にあなたの講義に参加している生徒は、何かしらのメリットを感じて来てくれています。その上で、講師から、講義で得られるメリットを明確に伝えてあげると、ゴールまでの過程も大切だと認識し、一貫して講義に集中することができます。
・講義終了後のゴールを伝える
生徒の集中力がなくなってしまう理由のひとつとして、ゴールが見えないことに対する落ちつかなさがあります。人はゴールが見えない状態で走っていると、ついつい他の作業に手をつけてしまったり、飽きてしまう=集中力が切れてしまうことがあります。
ですから、生徒に、「どうなってほしい」のか、という考えを基に、講義終了後には、「このような状態になります」というゴールを明確にして伝えることで、参加意識を格段に上げることができます。
以上、感謝の気持ちを伝えることから、参加者同士で目的の共有をさせて、ゴールを明確に伝えることで、参加することへの意義を強く感じることができ、講義への集中を促すことができます。
Lesson4-2 まとめ
- 講義に参加していただいたことや、出会いの縁に感謝の言葉を述べることは、生徒の気持ちを前向きにする。
- 参加者同士で講義に参加した目的を共有させると、個々人の目的が明確になり、さらに互いに刺激し合い、講義への集中力が高まる。
- 全員が同じ目標に向かって進んでいくことを再認識させると気が引き締まり、真剣に受講する姿勢になる。
- 生徒に講義で得られるメリットを明確に伝えてあげると、ゴールまでの過程の重要性に気づき、一貫して講義に集中することができます。
- 講義終了後には、「このような状態になります」というゴールを明確にして伝えることで、参加意識が格段に上がる。