サロンのウリを作る上で、「強み」と「価値」について考えなければなりませんが、一部のサロン経営者は、強みと価値の言葉の意味を理解できていません。たとえば、あるサロンの経営者に、サロンの強みと価値を質問するとして、
- 「私のサロン強みは、最新の美容機器で施術ができることです」
- 「私のサロンの価値は、腕の優れたスタッフが在籍していることです」
このような回答が返ってきたら、「最新の美容機器と腕の優れたスタッフがいるからキレイになれるかもしれない」と思うかもしれません。ですが、少し時間が空くと、「最新の美容機器を安く利用できる他のサロンも調べてみよう」や「腕の優れたスタッフに施術してもらうなら一番老舗のサロンも調べてみよう」という心理が働き、お客様は離れていきます。
人は比較する生き物です。言葉の意味を理解せず、強みと価値を決めてしまうと、価格や実績で比較されることが多く、結果的にお客様は、大手サロンに流れてしまうのです。
「強み」と「価値」の定義
では、価格や実績で比較されないために、「強み」と「価値」の言葉の意味の定義付けを見てみましょう。
- 強み_競合サロンとくらべて強い部分
- 価値_お客様が商品・サービスを購入する事で得られる結果
文字にしてみると、一見あたりまえのようなことでも、実際に理解している方は意外と少ないものです。前述したような、探せば他にもあるかもしれないものは「強み」ではなく、技術やノウハウは「価値」ではありません。「強み」と「言葉」の意味を理解せず提供することが、いかにメッセージ性がなく、お客様に響かないのかが分かりますね。
「強み」と「価値」の見つけ方
2つの言葉の意味が理解できたら、実際に「強み」と「価値」について考えていきます。まずは、「強み」になる3つの要素を見ていきましょう。

1.商品・サービスの強み
提供している商品やサービスで、より早く効果が得られるもの、より高品質なものなど、競合サロンよりも強いところはなんでしょうか?
2.提供方法・付帯サービスの強み
施術室の環境、営業時間などの提供方法による強みや付帯するアフターフォローなどの強みはなんでしょうか?
3.経営者・スタッフの強み
同じものを買うにも、安心・信頼できるところから買いたいのが本音です。経営者やスタッフは、どんな人柄で、どんな経験をしてきて、どんな技術を持っている人がいることが強みでしょうか?
お客様目線で「強み」を見ると「価値」になる
前述したように、「価値」とは、お客様があなたの商品・サービスを購入する事で得られる結果です。つまり、サロンの「強み」をお客様目線で見たものが「価値」といえます。では、前章で設定したペルソナ目線で「強み」を見ていきましょう。
- 商品・サービスの強み
たとえば、競合サロンと同じものを使っているのに、お客様があなたの商品・サービスを選ぶのはなぜでしょうか。より効果が出るから?より施術スピードが早いから?
- 経営者・スタッフの強み
ペルソナが経営者やスタッフに共感する点はなんでしょうか。人柄や経験による安心?技術による信頼?
- 提供方法・付帯サービスの強み
その提供方法は、ペルソナにとって便利ですか。営業時間が長くて仕事後も通えるから?自宅での手入れの方法のアドバイスをもらえるから?
Lesson9-8 まとめ
- 言葉の意味を理解せず、強みと価値を決めてしまうと、価格や実績で比較されてしまう。
- 『強み』とは、競合サロンと比べて強い部分。
- 『価値』とは、商品・サービスを購入することで得られる結果。
- 探せば他にもあるかもしれないものは『強み』ではなく、技術やノウハウは『価値』ではない。
- 『強み』の3つの要素は、「商品・サービス」「経営者・スタッフ」「提供方法・付帯サービス」。
- サロンの『強み』をお客様目線で見たものが『価値』である。