「結論重視型」か「プロセス重視型」かを明確にする
講師として「教える」立場である場合、「結論」と「プロセス」どちらを重視するかを明確にすると、講義内容を順序立てて説明できる魅力的な講義を展開することが可能になります。どちらを選択するかは、あなたの「学び」に対する考え方を基に決めます。
もしあなたが、最終的な結果が大切という考えをお持ちであれば、講義は効率性を追求した内容になるでしょうし、逆にプロセスを知ることが大切という考えであれば、思考力を追求する内容になるでしょう。
この場合、前者が「結論重視型」で、後者が「プロセス重視型」となります。ですが、どちらかに偏り過ぎているのもよくありません。どちらかを軸にし、その上で、二つの型のメリット・デメリットを理解していれば、どちらの型でも魅力的な講義をすることが可能になるのです。
「結論重視」と「プロセス重視」の違い
結論重視
- メリット:効率的かつ合理的に学習でき、成果に結びつく結果が得られやすい
- デメリット:考える力が身につきにくく、応用力に欠ける
プロセス重視
- メリット:考える力を養うことができ、想像力が身につく
- デメリット:結果を得るまでに時間がかかる
誤解しないでいただきたいのは、どちらにもメリット・デメリットがあり、どちらか一方が優れているというわけではないということです。結論を重視するか、プロセスを重視するかという問題は、企業において日常的に取り上げられます。それほど話題に出るということは、どちらも欠かせない要素があるからです。大切なのはまず、どちらを軸にして講義を進めるのかを考えることです。
2つの型のメリットを最大限発揮させる方法
型を選択したあとは、それぞれの型のメリットを最大限発揮させて、講義をより魅力的なものにしていきましょう。
結論重視型
- 結論を最初に述べられるようにすること
- 簡潔に結論までのプロセスを伝えられるようにすること
- できるだけたくさんの情報を整理して伝えられるようにすること
プロセス重視型
- 結論に至るまでのプロセスを丁寧に、わかりやすく説明できるようにすること
- 思考力を養えるような質問を作ること
- 考えてもらう時間を意図的に作り出すこと
まずは、選択した方の型のメリットを使いこなし、軸が安定したのなら、今度はその型のデメリットを補えるよう少しずつ工夫していきましょう。
Lesson6-1 まとめ
- 「結論」と「プロセス」どちらを重視するかを明確にすると、内容を順序立てて説明できる魅力的な講義を展開することが可能になる。
- 結論重視型は、結果が得られやすいが、考える力が身につきにくい。
- プロセス重視型は、考える力が身につくが、結果を得るまでに時間がかかる。
- 結論重視型のメリットを最大限発揮させるには、最初に、わかりやすく結論までのプロセスを伝え、たくさんの情報を整理して伝えられるようにする。
- プロセス重視型のメリットを最大限発揮させるには、結論に至るまでのプロセスを丁寧に説明し、思考力を養う質問と考える時間を与える。