Lesson8-1 料理教室の開業前に考えること

開業に必要な資金

本講座では、とくに自宅で料理教室を開業するために必要な資金について説明していきます。自宅で行う場合、飲食店など、テナントを借りて開業するのとは違い、店舗取得費用がかからないことから、比較的始めやすいといったメリットがあります。では、自宅で料理教室を開く場合に必要となる資金を見ていきましょう。

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  1. 内装費
  2. 設備費
  3. 調理器具・食器
  4. 材料費
  5. 広告宣伝費
  6. 運転資金

2の設備費と3の調理器具に関しては、教える料理の分野によって異なりますが、すでに自宅にあるもので対応可能であれば、費用を抑えることができますね。

料理教室開業に必要な届出

自宅で料理教室をはじめるには、いくつかの手続きが必要になります。一つめはLesson7「自宅サロンのポイント」でも出てきた、『個人事業の開業届出書』の提出です。2つめは、必須ではありませんが、『食品衛生責任者』の取得です。通常、貸し店舗などで飲食店を開業する際に必要とされるものですが、自宅の料理教室でもお客様の安心・安全に配慮する上では取っておいたほうが良いでしょう。

生徒に教える料理分野

一口に料理といっても、和洋中などのジャンルの他、スパイス料理、ダイエットフード、手作りパン、幼児食などさまざまです。「生徒に喜んでいただきい」という気持ちさえあれば、どの料理分野を選んでも、間違いはありませんし、途中で分野を増やしたり、逆に減らしたりすることもできるのです。ですから、まずは、資格や実務経験があるもの、家族・友人から「美味しい」と評価を受けたものなど、自分の得意分野を優先してはじめるのが良いでしょう。

 教え方3つのタイプ

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デモンストレーションスタイル

この方法は、主宰者がほとんどの調理をし、生徒はその調理行程を見て覚えるというスタイルです。調理スキルが重視され、手際の良さや調理の技術が求められます。作り方そのものを教えるわけではないので、時間の管理がしやすい点やキッチンに十分なスペースがないご自宅など、省スペースでも調理できる点が良いとされています。さらに、生徒さんとのお食事タイムを十分に取ることができるため、おもてなしを重視したい場合におすすめのスタイルです。

実習スタイル

主宰者が生徒さんと一緒に調理をしながら学んでいくスタイルです。生徒にとっては、実践的な調理スキルが身につけられるため、「学び」の実感がしやすいと言えます。スペースが限られている場合は、包丁の使い方や、材料の下準備などの基礎を中心とした内容に効果的です。作業スペースは安全性、動きやすさも考慮して、生徒が同時に移動できる導線を確保しましょう。

デモンストレーション×実習スタイル

デモンストレーションと実習を組み合わせたスタイル。調理におけるポイントとなる行程は主宰者が行い、生徒に調理する時間を多く設ける。先の2つの良い点を同時に実行できるため、レッスンにメリハリがつき、満足度も上がります。ですが、同時に実行できるということはその分こちら側の技術や配慮が必要となるので、よりしっかりとした準備が求められます。

Lesson8-1 まとめ

  • 自宅で料理教室をする場合、まずは開業資金の計算を行う。すでに自宅にあるもので対応可能であれば、費用を抑えることができる。
  • 料理教室開業には、税務署へ『個人事業の開業届出書』の提出が必要。
  • 『食品衛生責任者』の取得をすると、お客様の安心・安全の確保ができる。
  • 教える料理分野は、自分の得意分野を優先してはじめるのが良い。
  • デモンストレーションスタイルは、主宰者が調理をし、生徒はその調理行程を見て覚えるというスタイルで、生徒とのお食事タイムを十分に取ることができる。
  • 実習スタイルは、主宰者が生徒さんと一緒に調理をしながら学んでいくスタイルで、生徒にとっては実践的な技術が身につく。
  • デモンストレーション×実習スタイルは、2つの良い点を同時に実行できるが、主宰者側の技術や配慮がさらに必要になるため、十分な準備が必要。